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カンボジア、クメール・ルージュによる虐殺の現場プノンペンの「キリングフィールド」を徹底解説!

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アンコールワットで有名なカンボジア。現地の人々は親切で穏やかな国民性で接しやすく、有名観光地もあることから近年旅行者に人気の国です。優しそうなカンボジアの人々からは想像しづらいですが、今から40年前、たった数年の間に国民の1/3が殺されてしまう凄惨な出来事が起こりました。今回はその悲しい歴史を語る場所でもあるプノンペンの「キリングフィールド」をご紹介致します。

カンボジア、キリングフィールドの悲しい歴史とは

キリングフィールド」とは何でしょうか?キリング=殺人、フィールド=場所から処刑場を意味します。キリングフィールドはカンボジア全土でなんと100ヶ所以上も見つかっています。凄惨な事件の舞台となった処刑場の一部の場所を、現在は一般公開しているのです。このキリングフィールドを紹介する前にカンボジアの歴史、凄惨な事件の登場人物であるポルポト政権、クメール・ルージュについてお話します。

ポルポト政権、クメール・ルージュとは

カンボジアは小さな国でありタイ、ラオス、ベトナムと3カ国に接点を持つ関係上、隣国に影響を受けやすい国です。ベトナム戦争ではその影響を受けてしまい、北ベトナムと争っていたアメリカに目をつけられてしまいます。ベトナム、カンボジアと衝突を繰り返した後、 アメリカは撤退して行きます。親米派がカンボジアの政権を握っていましたが、新勢力が政権を取り返しました。それがポルポト政権率いるクメール・ルージュ政党です。クメールはカンボジアの古い呼び名、ルージュは共産主義を表す赤を示します。

悲しい凄惨な虐殺の数年間に突入

政権を取ったポルポトとクメール・ルージュ政党は、アメリカ勢力を追い返した政党として当時は英雄でした。しかし歯車は狂ってきます。ポルポトは原始共産主義という思想を掲げます。これは原始時代の生活はお互い協力しあっていて素晴らしい、みんなで農業をしよう、お金はいらないと言うものです。

資本主義と反対の思想でそれに反対する人はどんどん処刑されて行きました。エスカレートしていって反逆しそうな人、知識がありそうな人と言う順番に関係のない人まで処刑して行きました。さらにはメガネをかけている人、英語を喋る人などのふつうの人も反乱因子として処刑の対象になって行きます。

処刑されなかった人はというと、地方に追いやられ朝から晩までの過酷な農業作業を行なわされました。少ない食料で過酷な労働を強いられたため飢餓や衰弱死が相次ぎ、結果カンボジアの当時の人口の 1/3以上である300万人という犠牲者が出ました。

キリングフィールドでわかる負の遺産

独裁的なポルポト政権がそれに反するもの、次第には関係ないものまで処刑していったキリングフィールドがカンボジア各地にあります。その中で最大のものが首都プノンペンのキリングフィールドです。

ここでは当時の現場がそのまま残されています。また日本語を含む詳しい音声ガイドによって詳細な解説があります。ガイドによって詳細に解説されるのは歴史やストーリーだけでなく細かい処刑方法に至るので、聞いている観光者はみなうつむき、過去を悲しんでいる人が多いです。

残酷な処刑方法

財政難に陥っていた政権では処刑に銃を使わずナタや刃物を使われました。しかし、1日に何人もとなると刃物も磨耗します。最終的にはヤシの木のギザギザした皮などが使われます。処刑とは苦痛を伴わないよう工夫されますがこれはその反対でかなりの苦痛を伴うことが想像されます。

辺りに見られるくぼみ

不自然なくぼみがあります。これは処刑した人を埋めたところです。腐敗した遺体がガスを発し、土が膨らむのです。丘が連続しているような地形に隠れる背景に狂気を感じます。雨が降ると埋まっている骨や歯の破片が出てくることがあるそうです。

キリングツリー

大きな大木にミサンガのお供え物がされているキリングツリー。最も見るのが辛いものかもしれません。この木にはたくさんの赤ちゃんが頭を打ち付けられて処刑されました。衝撃によりところどころ陥没したキリングツリーは凄惨さを物語っています。当時キリングツリーには骨や歯、髪の毛が刺さっていたり詰まっていたそうです。ポルポトの言葉に「腐ったリンゴは箱ごと捨てる」とあります。処刑された大人と関係している子供も不条理に処刑されたのです。

マジックツリー

この木には巨大なスピーカーがぶら下げられていました。処刑の際の叫び声をかき消すためです。周りからは処刑を行っていることをバレたくなかった為、大音量でクメール・ルージュの革命歌を流していたのです。音声ガイダンスの最後にその時の音源が流れます。発電機のドドドドという音と妙な明るさのクメール・ルージュの歌が不気味に入り混じる、背景には悲しいことが毎日起きていたと想像するとやりきれない気持ちになります。

慰霊塔

順路の最終地点は慰霊塔です。慰霊塔に入る前に靴や帽子を追悼の意を表して帽子や靴を脱いで入ります。中には犠牲者の頭蓋骨がていねいに並べられています。性別、年代別に並べられており整頓された頭蓋骨にまた恐怖を覚えます。頭蓋骨を見ると陥没していたり、穴が空いていたりするので、どのように殺されたのかまで想像ができてしまいます。そのほか、処刑に使われたナタや鉄棒、斧なども展示され、その時の様子が伺えます。

キリングフィールド観光所要時間は2時間

日本語を含む各国語に翻訳された音声ガイドを入り口で利用できますのでそれを聴きながらしっかりと歴史、過ちを知ることができます。しっかりと聴くとガイドの時間が約1.5時間、ビデオ上映も入れると約2時間ほどになります。一見すると緑豊かな公園となっているキリングフィールドですが、それだけではキリングフィールドを知ることができないので音声ガイドでの利用をぜひオススメします。

キリングフィールドの入場料・営業時間・定休日

入場料はUS$3、音声ガイダンス代US$3です、音声ガイダンスをオススメをするので実質US$6です。

営業時間は8:00から17:30で、年中無休です。事前予約は不要です。

英名 Choeung Ek Genocidal Center
住所 Roluos Village, Sangkat Cheung Aek, Phnom Penh, Cambodia
営業時間 8:30~17:30
休日
入場料 US$3(音声ガイダンス代US$3)
HP http://www.killingfieldsmuseum.com/s21-victims.html

キリングフィールドの行き方

キングフィールドはプノンペン市内の南西15kmのチュンエクという村にあります。プノンペン市内からはタクシー、ツアー、トゥクトゥク、バイクタクシーなどがあります。15kmですのですぐ着くと思いきや、舗装されていない道を通るので40分ほどかかります。

タクシーはあまりつかまりづらいのでお勧めできません。トゥクトゥク、バイクタクシーはたくさんいますのですぐつかまります、トゥクトゥクだと約US$20、バイクタクシーだとその半分ぐらいです。ツアーは町中のツアー会社から予約でUS$15程度です。

どちらも往復と待ち時間込みの値段ですが現地交渉で決まります。決めずに行くと後から高めに請求されます。また待ち時間は2時間ほどかかることもわかっていて30分しか待たない、それ以上は追加料金と言われることが多いです。事前に待ち時間も含めて相談しておきましょう。安さ重視なら2人以上はトゥクトゥク、1人はバイクタクシーがオススメ、安心を取るならツアー予約がオススメです。

キリングフィールド一緒に訪れたいカンボジアの負の遺産

ポルポト政権による虐殺はカンボジア全土で行われました。その跡はプノンペンのキリングフィールド以外でも見ることができます。なお、虐殺についてや歴史の説明はプノンペンのキリングフィールドの音声ガイドが一最もわかりやすいです。それを聞いてから他を訪れるのが理解する上では一番オススメです。

トゥールスレン虐殺博物館(プノンペン)

ポルポト政権の反乱分子を拷問、尋問するために学校をを転用した処刑場。2年9ヵ月の間に14000〜20000人が収容され、生き延びたのはなんとたったの8人。あまりに厳しすぎる拷問であった為、早く楽になる為に反乱分子でないのにそのフリをして処刑を選んだものもいたほど。

現在は拷問器具や独房、写真などが展示されています。施設内のいたるところに血痕が残っており、悲しみの出来事を物語っています。もともと学校であったこともあり、場所はプノンペン市内からすぐ近くトゥクトゥクでUS$5以内でアクセスできます。入場料はUS$6、音声ガイドはUS$3、営業時間は8:00〜17:00年中無休です。プノンペン市内から近いのでアクセスしやすくオススメです。

英名 Tuol Sleng Genocide Museum/S21
住所 St 113, Phnom Penh 12304, Cambodia
営業時間 8:30~17:00
休日
入場料 US$6(音声ガイダンス代US$3)

地雷博物館(シェムリアップ)

カンボジアと言えば今でも残る地雷の多さで知られています。ポルポト本人が地雷は「完璧な兵士」と称して好んで使用しておりました。この博物館はもともと少年兵として地雷を埋めていたアキ・ラー氏が自分が仕掛けた地雷で悲しむ人がいることに嘆き、より知ってもらうべく自ら地雷除去し展示している博物館です。小さな博物館ですが戦車用地雷、対人地雷、手榴弾などが展示され地雷の恐ろしさを訴えかけています。

場所は市内から少し離れ、アンコールワットを抜けてさらにその先です、車で市内から北へ約40分35kmの道のり。料金はUS$5、営業時間は7:30〜18:00です。

英名 The Cambodia Landmine Museum
住所 Angkor National Park, 7km south of Banteay Srey Temple, Siem Reap, Cambodia
営業時間 7:30~18:00
休日
入場料 US$5
HP http://www.cambodialandminemuseum.org

キリングフィールド(シェムリアップ)

シェムリアップのキリングフィールド、別名ワット・トメイ寺院です。こちらはプノンペン のものとは一風変わっており外観からは寺院です。中に入ると慰霊塔があり、中には人骨などが祀られていたり、殺害された人の写真や支配の様子が描かれております。寺院には毎日お祈りに訪れる人がおり、活気を取り戻しています。場所はアンコールワットに行く途中で市内から車で約20分、料金は無料、営業時間は7:00〜18:00です。

英名 Killing Field (Wat Thmei)
住所 Road to Angkor Wat (across from Charming City), Siem Reap
営業時間 7:00~18:00
休日
入場料 無料

上の二つである地雷博物館とキリングフィールド、市内から少し遠くアクセスがしづらいです。トゥクトゥクもありますが英語が苦手で交渉もトラブルがあると面倒だという方はタビナカの現地ツアーがとっても便利
です。その他の寺院も回れて日本語ガイド付きなので歴史もしっかり学べてオススメです。

キリングフィールドのまとめ

いかがでしたでしょうか。カンボジアの普段とは違った側面をご紹介させていただきました。カンボジアを歩くとのんびりで優しい人が多いため、そのような悲しい歴史がたった40年前にあったことをつい忘れがちです。悲しい歴史であったからと言って目を背けるのではなく忘れさられないように、繰り返さないようにそれを伝えることも使命の一つです。色々考えさせられることが多いかと思いますが、過去に学んで世界中の人が幸せに毎日を送れるようにぜひ訪れてみてください!

TAMURA KIYOSE
WRITER TAMURA KIYOSE
アフリカ在住の旅行好きです!旅行に行くたび世界の広さに驚かされます。好きな街はイスタンブールと飯田橋! 旅行が好きでよく東南アジアに弾丸旅行に行きます。最近はヨーロッパにも徐々に詳しくなってきました。みなさんが旅に出たくなるようなおもしろい情報をご紹介していきたいと思います。

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