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上海はPM2.5って大丈夫?大気汚染情報&対策まとめ

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日本からも近く、週末旅行の行き先としても人気が高まっている中国・上海。しかしここ数年の報道によって、現地のPM2.5による大気汚染を心配している人も多いでしょう。

せっかく楽しみにしている旅行なのに天気が悪かったり、ましてや大気が汚染されているとなればがっかりですよね。しかし、PM2.5が実際どういうものか、そして体にどれほど悪いものなのかご存知ですか?

そこで今回は中国や上海のPM2.5に関する気になる情報をまとめました。上海のPM2.5の実態がよく分かるようになっていますので、ぜひ参考になさってください。

そもそもPM2.5って?

PM2.5とは、「直径2.5μm(マイクロメートル)以下の粒子」のこと。つまり、PM2.5という物質があるわけではなく、工場や自動車などから排出される、ある大きさ以下の炭素や硝酸塩、硫酸塩、金属などの様々な物質の混合物をPM2.5と称しているんです。

2.5μmというのは2.5mmの千分の一の大きさを表し、髪の毛の太さの1/30程度、花粉よりもさらに小さな粒子です。非常に小さな物質のため、私たちの肺の奥まで入り込みやすく、喘息や気管支炎などの呼吸器系疾患や循環器系疾患などのリスクを高めるとされています。

特に喘息や気管支炎などの呼吸器系疾患、また糖尿病や高血圧などの循環器系の持病をお持ちの方、さらにお年寄りや子どもは影響を受けやすいと考えられているので、そうした人は特にPM2.5に関する事前の下調べや対策が必要です。

PM2.5による健康被害

春先に私たちを悩ませる花粉は20~50μm程度で、吸い込んでも鼻毛や喉の粘膜に付着して肺の奥まで入り込むことは滅多にありません。しかしPM2.5はその小ささゆえに途中でブロックされず、気管支や肺の奥まで入り込むため、様々な疾病のリスクを高めると言われています。

世界保健機関(WHO)ではPM2.5を含む大気汚染物質による発がんリスクを、5段階ある危険度の中でも最上位に分類しています。実際、中国ではスモッグによる肺ガン患者がここ10年で43%増加し、発症年齢も若年化傾向。長期的なPM2.5の影響による健康被害の深刻な実態が報告されているんです。

さらにPM2.5は短期的にも鼻水や目のかゆみなどのアレルギーを引き起こしますし、気管支炎や喘息、心筋梗塞、皮膚疾患や糖尿病などの持病を持つ方は症状が悪化する懸念も生じます。短期間の旅行であってもしっかりとした対策を講じる必要がありますね。

AQIとは?

中国やアメリカでは㎍/㎥ではなく、AQI(Air Quality Index/大気質指数)という数値を用いています。大気汚染の程度を示す数値ではありますが、日本の㎍/㎥を用いた数値とはそもそも基準が異なります

ネット上では両方を混同して、中国のPM2.5の値は日本では危険な水準であるにも関わらず安全と言っている!などと記しているサイトもありますが、そもそも基準が異なりますから、中国の数値(AQI)をそのまま日本の安全基準(㎍/㎥)に当てはめることはできません

  • 中国の安全基準(AQI)
AQI 人体への影響
I0~50 健康。空気は良好。
50~100 影響少。許容範囲。敏感な人の一部は健康に影響が出る可能性がある。
100~150 軽度汚染。敏感な人は健康に影響が出る可能性がある。
150~200 中度汚染。誰もが健康に影響が出る可能性がある。敏感な人はより深刻な影響が出る可能性がある
200~300 重度汚染。誰もが健康に深刻な影響が出る可能性がある。
300~500 深刻汚染。緊急事態の警告。

AQIから㎍/㎥、もしくは㎍/㎥からAQIへ数値を変換するには、以下のサイトが便利です。

中国でPM2.5が深刻な理由

AQIで量れるPM2.5の濃度は上の表では500がMAXですが、実は中国は2013年の12月に上限の500を振り切り、600を記録したことがあります。これは日本の健康基準を15倍以上も上回るひどい値。ここ数年も中国の環境汚染は深刻で、北京などの大都市では昼間でも近くのビルが霞んで見えない日もあるほどです。

どうして中国ではこれほどの大気汚染が進んでしまったのでしょうか?それにはいくつかの理由が関係しているといわれています。

家庭用暖房や工場での石炭の利用

中国の家庭や工場では、エネルギーの大半を石炭に依存しています。なんと世界の石炭消費量の約半分は中国!石炭は石油や天然ガスなどの燃料と比較すると、燃焼の際に粉塵や硫黄酸化物、窒素酸化物などの粒子がより多く発生し、それがPM2.5の増加の一大要因となっています。

実は中国でのPM2.5のピークは冬場。各家庭で暖をとるために石炭が大量に消費されることが原因です。中国政府もそのことはよく承知していて、昨年2017年に北京市内の家庭と企業に対し、石炭から天然ガスへの燃料の切り替えを強制的に求めるなどの対策をとっています。

中国人は高級車がお好き?

急速な経済発展が続く中国。自動車の販売台数も増加の一途をたどっています。1991年から2000年までの自動車の平均増加率は11.5%であるのに対して、2001年から2012年までの増加率は20.6%。中国では1年間に2,200万台以上の自動車が販売されています(20017年の日本の販売台数は523万台)。

日本で人気の自動車と言えば、軽自動車エコカーなどの『経済的な』車ですが、中国ではステータスの象徴としての面が強くあります。そのため排気量の大きな高級車の需要がとてつもなく高いんです。

中国では自動車の急激な増加によって大都市ではもちろん、地方都市でも激しい渋滞が日常的。自動車の増加と、排気量の大きな高級車の割り合いが増えることによって、排気ガスに含まれるPM2.5が大気に充満し、ますます大気汚染が進む現状がみられます。

地形による汚染物質の停留

北京などの中国の都市の多くは四方を山に囲まれているため、大気中の汚染物質が留まりやすいという傾向があるそう。それに加えて都市の近くに重化学工業や火力発電所などが集中していることが追い打ちをかけています。

上海のPM2.5事情

中国におけるPM2.5の現状についてはある程度理解していただけたと思います。では、本題である上海のPM2.5事情はどのようになっているでしょうか?実は、上海は北京などと比較するとPM2.5による大気汚染はそれほどひどくないんです。

実際に上海に住んでいる人に話を聞いてみると、年々空がキレイに見えるようになってきており、冬以外はほとんど気にならないレベルになっているそう。ただし、やはり冬場は濃霧のように空気が霞む日もあり、PM2.5の影響がみられます。

上海のPM2.5の濃度をリアルタイムに確認できるサイトがありますので、上海に旅行される際には事前に、そして旅行中も定期的にチェックなさってください。こちらのサイトで表示されている数値はAQIですので、AQI100を一つの目安にして、安全をはかってくださいね。

上海のPM2.5はいつが最も深刻?

では上海でPM2.5に気をつけるのはどのシーズンでしょうか?上でも述べたように、やはり夏場よりも冬場の方がPM2.5の濃度は高くなります。

こちらの写真をご覧ください。これは2016年の夏の上海の様子です。空が青く澄んでいるのが分かりますね。PM2.5の影響はほとんどみられません。

一方、こちらの写真は同じ年の冬の上海です。PM2.5の影響で街全体が霞んでいる様子が分かりますね。上海でも冬場はPM2.5の濃度がAQIで100~200の幅を行ったり来たりします。

上の安全基準に照らすと『中度汚染。誰もが健康に影響が出る可能性がある。敏感な人はより深刻な影響が出る可能性がある』レベル。冬の時期に上海を旅行される際には十分に気をつけてください。

上海のPM2.5についての注意点

様々な健康被害を引き起こす恐れのあるPM2.5ですが、しっかりとした対策を取ることによって、その危険性をかなりの程度抑えることができます。上海へ旅行する際にもすぐに実践できる方法ばかりですので、ぜひ参考になさってくださいね。

PM2.5対応のマスクを着用する

PM2.5に対して最も手軽でかつ実際的な方法が、マスクを着用すること。ただし、普通のマスクではなくPM2.5対応のマスクを使用することが望ましいです。

というのも、通常のマスクのフィルターの大きさは3㎛(0.003mm)。一方PM2.5の大きさは2.5㎛ですから、普通のマスクでは粒子が素通りしてしまう恐れがあるんです。PM2.5にしっかり対応しようとすると、「N95」、もしくは「N99」規格のマスクが必要。これは0.1㎛の極小微粒子でもそれぞれ95%、99%までカットできるという意味で、PM2.5もしっかりと防いでくれます。

ただしN95,N99規格のマスクは値段もそれなりにしてしまいます。またいくらN99マスクでも着用した際に隙間があれば意味はありません。ドラッグストアやアマゾンではPM2.5にも対応する立体マスクが手頃な価格で販売されています。自分の顔にピッタリとフィットするマスクを着用するようにしてくださいね。

こまめなうがい・手洗いでPM2.5をしっかり除去

マスクの着用だけではなく、こまめなうがいと手洗いもPM2.5の対策として有効です。マスクをしていていも、顔や口の周りにはPM2.5が付着してしまいます。日本にいるとき以上のこまめなうがいと手洗いで、体についてしまったPM2.5をしっかりと洗い流しましょう。

また、室内に入る前に衣服などについたPM2.5をしっかりと落として、部屋の中にPM2.5をなるべく侵入させないようにすることも大切です。PM2.5ははたくと逆に舞い上がってしまうので、ゴミを落とす感覚で、そっと体を揺するようにするのがポイントですよ。

ホテルの空気清浄機を利用する

これらの対策をとっても、PM2.5を100%遮断することはやはりできません。室内に漂うPM2.5を除去するには空気清浄機がとても効果的で、環境省も利用を推奨しています。

上海市内のホテルでは、部屋に空気清浄機を備え付けているところも珍しくありません。部屋にない場合でも、フロントに尋ねると貸し出してくれるところもありますが、そうしたところでは数に限りがありますので、予約する際に事前に確認しておくといいでしょう。

PM2.5で飛行機が遅れることも…

PM2.5によって大気が霞み、視界不良を理由とする飛行機の遅延や着陸ができずに他の空港に回されてしまう、という事態が生じることもあります。出発時間が遅れてしまうのは仕方がないかもしれませんが、慣れない異国で急に行き先が変更されてしまっても困りますよね。

こればっかりは自分自身で対処できることではありませんが、旅行中でも時間に余裕を持って行動すること、万が一目的地が変更されてしまった場合、自分が利用する航空会社がどのような対応をとるのか事前に確認しておくことも必要かもしれません。

特に最近利用者も増えているLCCの場合、ダイバード(目的地以外の空港に着陸すること)の対策も各航空会社によって大きく異なるので、事前にしっかりと確認しておくことが安心につながります。

PM2.5対策をして上海旅行を楽しもう!

PM2.5についての基本的なことから対応策などについてまとめてみましたが、いかがでしたか?しっかりと知ることが必要な対策をとるために一番大切なことです。

PM2.5も濃度の見かたや、それに対する危険度がどれほどなのかを知っておけば、必要以上に恐れる必要もありません。それに加えてしっかりとした対策をとれば、自分や周りの人の身も守ることができます。

ぜひ今回の記事を参考にして、上海旅行を思う存分に楽しんでくださいね

 

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